戦後の日本では、それまでの古来の家造りの文化が否定され、欧米に倣えということになった。国を挙げて、伝統的な家造りの文化そのものを否定してきたのだから、税金面でも融資面でも、こうした家造りを国が応援しないのは当然かもしれない。しかも、より短期間で、合理的、効率的に家をつくることをよしとしてきた。そういえば、どのマイホームの本を見ても、家造りは、着工から竣工までがせいぜい4カ月。中には、パーツを工場生産して、1カ月で建って住める家もある。
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戦後の焼け跡から復興するためには、なるべく短期間で、数多くの家を建てなくてはならなかった。職人手間をかけないためには、なるべくたくさんの部品を工場生産したほうが効率が良かった。高度成長の中では、収入もそれなりに増えたから、他のモノと同じように、家も20〜30年の使い捨てでよかった。使い捨てであることが、産業としての住宅を支えてきた。だからといって、いつの間にか棄ててはいけないものまで、棄ててしまっているのではないか。役所の対応の冷たさに腹を立てながら、そう思った。